在留資格「特定技能」は「技能実習」とは異なり、「技人国」のように自社で採用・雇用することができると知った。「特定技能」を持っているもしくは取得見込みの外国人材を採用したい。でも何から始めたらよい?どれくらいの費用と時間がかかる?という疑問を持っている人も少なくないかと思います。
そんな疑問に、受入企業の目線で解説していきます。
特定技能と技能実習の制度にの違いを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
在留資格「特定技能」の対象職種は14種類
特定技能には2種類あります。対象職種はその目的「人手不足に対応する」から、14職種がで採用ができるようになっています。
内容 | 職種 | 期間 | |
1号 | 特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事 | ①介護分野、②ビルクリーニング分野、③素形材産業分野、④産業機械製造業分野、⑤電気・電子情報関連産業分野、⑥建設分野、⑦造船・舶用工業分野、⑧自動車整備分野、⑨航空分野、⑩宿泊分野、⑪農業分野、⑫漁業分野、⑬飲食料品製造業分野、⑭外食業分野 | 通算で上限5年まで |
2号 | 特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事 | ①建設分野、②造船・舶用工業分野のみ | 期限なし |
個人的な意見ですが、今は2号として定められていない12職種も、人材不足の解消が見込まれるとは思わないので、今後2号に追加される可能性も考えらると思います。時期はわからないものの、2019年から始まった制度なので2023年頃が最初の検討のタイミングかもしれませんね。
在留資格「特定技能」の在留者数
出入国在留管理庁が発表する「2022年6月末 特定技能在留外国人数(速報値)」によると、特定技能1号で日本に在留する外国人の人数は87,471人です。
年々増えてはいるものの、ま日本に在留する外国人(すべての在留資格が対象)は、2,961,969人であり、特定技能での在留者数はごくわずかであることがわかります。
まだまだ特定技能の在留者が増える余地がありそうですね
採用方法については後述しますが、このことから、特定技能を持つ人材の転職ではなく、新規で特定技能を取得する人材が採用候補者になりそうだということが覗えます。
2022年4月に発表された日本人の人口は1億2238万人なので、日本人の2.37%に値する外国人が何らかの形で日本に在留しているんですね!
在留資格「特定技能」特定技能の採用パターン
特定技能の外国人材を採用するパターンは5つあります。
- 国内在住×試験合格→就業
- 国内在住×技能実習終了→就業
- 国内在住×特定技能での転職→就業
- 海外在住×試験合格→来日→就業
- 海外在住×技能実習終了→来日→就業
1 国内在住×試験合格→就業
すでに日本に在留している外国人(在留資格でいうと「留学」「特定活動」など)を採用するパターンです。特定産業ごとに実施されている試験を受験し合格する必要があります。
試験の実施回数は限られているので、事前に確認が必要です。
就業に合わせて、在留資格の変更手続きをします。この手続は期間が読めないため、合格がわかったらなるべく早く変更手続きに取り掛かるのが良いと思います。そうでないと変更手続き期間に国内で無職待機をしなければならない期間が発生する可能性があります。
期間:おおよそ2〜5ヶ月間
費用:採用にかかる費用、在留資格変更手続き費用
2 国内在住×技能実習終了→就業
すでに日本に在留している技能実習(2号または3号)を終了する外国人を採用するパターンです。技能実習で実習を行った産業と同じ産業で特定技能で就業する場合は、特定産業ごとに実施されている試験の受験は不要です。
就業に合わせて、在留資格の変更手続きをします。この手続も期間が読めないため、なるべく早く変更手続きに取り掛かるのが良いと思います。そうでないと変更手続き期間に国内で無職待機をしなければならない期間が発生する可能性があります。
期間:おおよそ2〜3ヶ月間
費用:採用にかかる費用、在留資格変更手続き費用
3 国内在住×特定技能での転職→就業
すでに日本に在留している外国人(在留資格でいうと「特定技能」)を採用するパターンです。要件は整っているので、就業に合わせて、在留資格の変更手続きをするのみですが、特定技能の場合、転職は認められているものの、就業先が変わると、書類の準備が一からなので手続きの容易さは上記国内在住パターンと比較しても変わりません。
また、前述の在留者数を見ても候補者は多くはないので、現時点ではこのパターンは限りなく少ないと思います。
期間:おおよそ2〜3ヶ月間
費用:採用にかかる費用、在留資格変更手続き費用
4 海外在住×試験合格→来日→就業
海外在住で、来日して在留資格で就業する場合は、特定産業ごとに実施されている試験を受験し合格する必要があります。合格後に入国するための在留資格認定証明書の交付申請を行い、入国、就業という流れになります。
この手続も期間は読めませんが、証明書が取得できてからの入国となります。
期間:おおよそ2〜6ヶ月間
費用:採用にかかる費用(必要に応じて渡航費等)、在留資格認定証明書交付手続き費用、人材が来日する費用や一時的な国内滞在費(負担する場合)
5 海外在住×試験合格→就業
海外在住で、過去に日本で技能実習(2号または3号)を終了しているパターンです。技能実習で実習を行った産業と同じ産業で特定技能で就業する場合は、特定産業ごとに実施されている試験の受験は不要です。入国するための在留資格認定証明書の交付申請を行い、入国、就業という流れになります。
この手続も期間は読めませんが、証明書が取得できてからの入国となります。
期間:おおよそ2〜6ヶ月間
費用:採用にかかる費用(必要に応じて渡航費等)、在留資格認定証明書交付手続き費用、人材が来日する費用や一時的な国内滞在費(負担する場合)
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まとめ
人材不足を解消?補う?ために新設された特定技能。人口が減り続け、高齢化が進む日本で人材不足が解消される見込みはないと考えるのが妥当だとすると、特定技能に期待が高まっている理由も理解できますね。
外国人材特有の必要な手続きや報告があったりもするので、外国人活用に関心を持ったら、なるべく早いうちに情報収集をして、計画を立て、余裕をもった採用活動をすることをおすすめします。
今回はここまでです。参考になれば嬉しく思います!
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