円安時代の海外進出について考える〜日本企業にとっての海外進出のメリット&デメリットとは?〜

海外事業
円安時代の海外進出について考える

コロナ感染拡大前までは、日本企業にとっての海外進出(展開)の目的は、①人件費の安い国地域での生産拠点を持つことや、②日本の商品・サービスの市場開拓がほとんどでした。一部で③人材確保のために拠点を持つということもわずかですがありましたね。

それが、円安になってしまったことで、目的が変わりつつあるかもしれません。改めて、海外進出のメリット&デメリットについて考えてみたいと思います。

海外進出(展開)のデメリット

先にデメリットについて考えてみましょう!
デメリットを受け入れることができれば、海外展開はぐっと近づくと思います。

人件費の上昇

日本ではあまり大きく話題に上がりませんが、特にアジアにおいては年々最低賃金が上がっています。

例えば私が就労していたベトナムは、上昇率は落ち着いてきたものの2021年を除き今でも年6%近く最低賃金が上昇しています。

そのため、安い人件費を海外進出の動機としていないケースでも、事業を行っていく上で人件費は必要不可欠なので、人件費の上昇も想定した複数年の事業計画を立てる必要があります。

一方で、人件費が上がるということは、その国地域の人材にとっては、給与が増えることなので、消費が活発になることが期待できますね!

為替変動

今年(2022年)は、歴史的にみても為替が大きく動いた年でした。為替変動は海外展開における大きなデメリットといえます。
準備機関や初期投資にかかる費用や、海外で出た利益を日本で受けるケース、親子ローンでの借り入れなど、事業を行っていく上で想定されるお金のやりとりに為替がついてきます。

人件費の安い国地域での生産拠点を持つケース

生産したものを日本に輸入するコストの増減は切り離すことができません。
2022年は想定以上の円安により、コストが大幅増になってしまった事例が多いのではないでしょうか。

日本の商品・サービスの市場開拓をするケース

上記とは逆で、日本で生産したものを海外へ輸出するコストの増減が影響します。また、日本で生産する商品の原材料の輸出入にも関係してくるかもしれません。

言語や文化、商習慣の違い

日本語は日本でしか話されない言語なので、海外に行くと必ずといって外国語が必要になります。

海外でも日本語を話す現地の方が多くいる国地域はありますが、宗教含む文化や、ならではでの商習慣について知識を得て、理解をする必要があります。

海外ビジネスの成功においては、どれだけ現地に溶け込めるかが重要だと考えているので、完全に理解することは難しくても(理解しすぎると、日本の本社や事業所で理解されないというジレンマも)、積極的に理解をしようとしている姿勢を見せることは必要だと思います。

なかなかこんなことに対応できる人材が国内にいないという課題が出てくると思います。ここで活躍できるのが日本国内にいる外国人材だと考えています。

なるほどと思った方はこちらの記事もご覧ください。

いかがでしたでしょうか?

デメリットも、逆の発想でデメリットではなくなる可能性もありそうですね。

海外進出(展開)のメリット

続いて、メリットについて考えてみましょう!

人々が明るい、生き生きしている

私はこれが一番だと思います。メリットとして書かれることは少ないですが、実際に経験したことがある方には理解していただけるのではないでしょうか。

これまでに旅行や仕事で約20カ国へ訪れたことがありますが、共通して言えることが「人々が明るい、生き生きしている」と思ったことです。そんな雰囲気に入り込むことで、自分自身もなんだか楽しい気分になります。

私の会社でも、外国人材が働いてくれていますが、彼らは本当に明るくて、顔を見るといつでも笑顔いっぱいで「お疲れさまです!」と言ってくれます。こちらまで笑顔になって、私もがんばるかー!とやる気にまでさせてくれます。

これまでもインターン等ではじめて外国人材を受入れた企業からも、「社内が明るくなった」という声を何度も耳にしてきました。

海外に会社があったりビジネスをしていて日頃から繋がる機会があれば、日本の社内や人材にも良い影響が出るのではないかなと思います。決してもともと活気がないというわけではないですよ。

大きな市場

みなさまもご存知の通り、人口が減少し、高齢化が進む日本は、市場規模が縮小していきます。

しかし、国連によると、増加率は低下しているものの、世界の人口は、増加傾向にあると予測されています。

世界人口は2030年に約85億人、2050年には97億人に増える見込みです。2080年代中に約104億人でピークに達し、2100年までそのレベルに留まると予測されています。

国連-UNIC, 2022年8月18日

デメリットの1つ目にも書きましたが、人件費も上昇し購買力が高まっていることも期待すると、縮小している日本国内だけはなく、海外の市場を含めた販路開拓をすることはメリットになると考えます。

税制

海外でも日本と同じように利益に対して税金がかかります(法人税という)が、世界的には、この法人税は減少傾向にある言われています。

また、国や地域によって異なりますが、自国に投資する外資系企業向けに、法人税の優遇を行い外資系企業を歓迎する施策が取られています。

例えば以下のようなものがあります

  • 経済特区を設け、特区内は原材料の課税が免除(フィリピン/PEZA)
  • 特定の業種に対して8年間は法人税免除(タイ)

これらをうまく活用することで、日本より税制のメリットが得られる可能性があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

円安の今は、②日本の商品・サービスの市場開拓一択かもしれませんね。そして、これに期待ができるのも事実だと思います。

2022年2月に日本貿易振興機構(ジェトロ)が発表した「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」でも中小企業、大企業ともに輸出方針、「さらに拡大を図る」企業の割合が過去最大だったそうです。

海外進出について検討する材料になれば幸いです。

これからも海外進出について情報発信していきたいと思います。

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